■ ゲスト写真館(大野さん:10)

1979(S.54)年3月、伊丹にて撮影のものです。 伊丹は川西池田と本屋の位置が逆になるだけで跨線橋の設計自体は川西池田と同じ 鉄道院規格に基づいているため、ちょっと見ただけでは見分けが付かない程です。 規格についてもコメントをいただいておりますので、掲載させていただきます:

鉄道史料22号の連載「鉄道施設XXI」に、 明治42年10月達第850号停車場内跨線橋乙丁定規、 明治42年12月達第1044号停車場内跨線橋甲丙定規に準拠した 図面が掲載されており参考になります。
跨線橋幅9feet・階段幅12feetが、 跨線橋幅6feet・階段幅9feetは、 跨線橋幅9feet・階段幅9feetは、 跨線橋幅6feet・階段幅6feetは
川西池田は丁ノ二ノ一の図に相当します。 伊丹の跨線橋は川池のより古く、丁ノ一ノ一図相当、明治四十五年横河橋梁製でした。
(筆者注:一とニの数字の差は跨ぐ線路の数によるもので、伊丹は3本をまたいでいました。)

  ©T.O.

時はDD51時代に移り、1792レは最終グループのDD51 1192〔福〕牽引。



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伊丹駅本屋は財産票では明治44年10月建造、跨線橋は明治45年横河橋梁製。



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川西池田の跨線橋屋根はスレート波板葺き、伊丹はトタン波板葺き。跨線橋部の腰板がトタン波板に交換されています。



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この色調は川西池田と殆んど同じです。私は鋳鉄脚部がプライマー剥き出しの姿は見るに忍びなかった感があります。



  ©T.O.

跨線橋内部、床は舗装してあります。西から東、本屋下りホームから上りホームへ向かっての撮影。



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上りホームへの階段内部。

JR半田駅に保存されている有名な跨線橋(同一規格で現存最古)に、かなりこれに 近い雰囲気が残されています。当時の方が窓や屋根との取り合い部に開口が 多く、簡素であることがわかります。
同じ福知山線に残る柏原の跨線橋も同一規格(階段幅が広くて9ft)ですが、新建材で化粧直しされていて(寒冷地であることを考えると仕方ありませんが)、このような 雰囲気を知ることは難しくなっています。

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